事業計画書とは、事業の方向性や目標を書面にまとめたもので、具体的な事業内容や戦略、収益の根拠や見込みなどを記載します。
事業計画書を作成する目的と効果は、「自分の事業を客観的に見ること」と「事業について第三者に理解してもらうこと」です。
事業計画書を作成し自分の事業を客観的に見ることで、自分の事業がビジネスとして成立しているかを検証できます。その結果、事業の課題を発見したり、改善策を考えたりすることにつながります。
金融機関より資金を借入する際は、事業計画書の提示は必須です。
金融機関に事業計画書を提示して、事業に対する理解を得ることができれば資金を借入できる可能性が高まります。
事業計画書に決まりはなく自由に作成できますが、記載したほうが良い内容があります。それは「全体構想」「資金計画」「収支計画」の3つのテーマに関する内容です。
事業計画書を見た際に、事業の全体構想が分かるようにしておきましょう。
「創業の動機」や「事業内容」、「市場環境」、「事業の課題」、「事業の目標」を記載することで、事業の全体構想が分かりやすくなります 。
創業の動機を記載する際は、「栄養士として10年の経験を生かす」「駅から近い場所に居抜き物件を見つけた」など、これまでの自分の経験が生かせることや、開業条件の良さなどを記載できると金融機関への良いアピールになるでしょう。
「無添加パンや無添加ジャムなど味が良く、健康にも配慮した食品の販売。ターゲットは中学生未満のお子さまを持つママ」など、市場やターゲット、商品やサービスについて分かりやすく記載しましょう。
「子供には添加物の入った食品を食べさせたくないという価値観の浸透」「無添加の食品を購入するママが増えている」「栄養士の経験を生かして無添加の食品を提供」など、起業する分野の市場規模や成長性、既存の競合状況、市場における優位性について記載しましょう。
「賞味期限が近づいた在庫の処分」「賞味期限2カ月前より割引販売する」など、事業の課題や、課題に対する具体的な解決策を記載しましょう。
事業の目標は、「開業から3年以内にもう1店舗出店する」「粗利益700万以上を達成し、法人化を目指す」 など具体的に記載しましょう。
事業計画書を見た際に、資金計画が分かるようにしましょう。
資金計画では、開業資金として必要な資金や用意できる自己資金、必要な借入金を記載します。
なお開業資金には、「運転資金」と「開業準備資金」があります。これらの資金の内訳を具体的に記載しましょう。また、借入金についても、借入先と借入金額について具体的に記載します。
損益計算表を作成し、開業後の収支計画を記載しましょう。
損益計算表とは、売上高や売上原価、経費、事業所得などの収支をまとめた表です。損益計算表を作成することで、事業でどれくらいの収益が得られるのか、また事業を維持するためにどれくらいの費用が必要になるのかが分かります。
個人事業主として新規開業する際の、開業前準備について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
新規開業の流れは?開業前の資金準備や開業届と法人登記の違い