公開日:2021/12/9 / 最終更新日:2021/12/15
写真を愛するレビュワーの皆さんが、キヤノンの「EOS Rシステム」で撮影体験! EOS RシリーズやRFレンズを使った率直な感想を語ります。今回は、山陰・中国エリアの自然風景を中心に撮影しているハタユカさんが、初めて触れるEOS R6とRF70-200mm F4 L IS USMをレビューします。
雨は降っていましたが西の空は明るく、雲間から太陽が顔を出しそう……。こんなときは虹のチャンス。あわてて大山(だいせん)と虹の端が重なる位置まで移動して撮影しました。シャッターチャンスを逃すことなく鮮明に切りとることができました。(F13・1/60秒・ISO200)
こんにちは、ハタユカです。自然豊かな山陰の里山風景や生き物たち、ときどき鉄道風景なども撮影しています。写真と言葉から、見た人に何かしらの想いが伝わるような切りとりを心がけています。
今回は、暗所や手ブレに強く、小型・軽量と噂に聞いていたEOS R6と、RF70-200mm F4 L IS USMをお借りして、山陰の自然・風景をテーマに撮影してみました。その使用感をレビューしていきます。
朝もやが残る山中で、雲の隙間から太陽が顔を出した瞬間、目の前に光のカーテンが。2枚目を撮影する間もなく太陽は再び雲の中へ。一瞬の出来事でした。(F13・1/320秒・ISO100)
さて、皆さんに質問です。雨や曇りの日の撮影って、どうされていますか?
じつは機材をお借りしていた期間中、休日はほとんど天気に恵まれませんでした。どうやら雨女デビューしてしまったようです。でも、そんなときこそ発想の転換! EOS Rシステムのおかげで、いつもより楽しい瞬間を切りとることができました。
雨の日は雨の日の、曇りの日は曇りの日にしか出会えない一期一会の風景。ファインダーをのぞきながら自然の中に隠れている心躍る何かを見つけることの面白さを、EOS Rシステムは改めて実感させてくれました。
クリスマスツリーに見立てたスギナに合焦するまで接近。このレンズ、一体どこまで寄れるのか。ピントの合った部分はシャープでボケも見事。RF70-200mm F4 L IS USMがあればマクロレンズはいらないかも!?(F4・1/5000秒・ISO400)
山陰の名峰・大山の山頂から太陽が顔を見せた瞬間。直接太陽を見ることなく、ライブビューで明るさを確認しながらタイミングを待ちます。刻々と露出が変わるなか、仕上がりを確認しながら露出を決定できるのは本当に便利です。(F14・1/1000秒・ISO200)
鳥取・湯梨浜町の海鳥居。暴風雨で大荒れの日本海ですが、白く泡立つ荒波を長時間露光で撮影したら面白いのではないかと、NDフィルターを使用して撮影しました。(F18・30秒・ISO100)
鳥取県中部、橋津海岸にある海鳥居の撮影に出かけました。鳥居を見下ろせる丘の上から、RF70-200mm F4 L IS USMの望遠200mmでの撮影です。手前に生い茂った草木が画面に入らないように、三脚を一番高く伸ばしています。背が届かずファインダーをのぞいてピント合わせができませんが、ライブビューモードの拡大機能を使うことによって、被写体にきちんとピントを合わせることができました。
「雨が降りやむことはないだろう」と帰る準備を始めていたとき、分厚い雲に切れ間が生まれ、わずかな時間だけ光がさしこみました。ドラマチックな空と白波の表情を手持ちで撮影しました。(F4・1秒・ISO100)
この日は暴風雨で、傘を差しながらの撮影は厳しかったですが、イメージどおりに仕上がりました。波打ち際の撮影では三脚を準備する時間的余裕がなかったため、手持ち撮影でEOS Rシステムの手ブレ補正効果を試してみることになりました。
EOS R6のグリップは握りやすく、しっかりカメラを支えることができます。RF70-200mm F4 L IS USMを組み合わせても「軽い」と感じるコンパクトさも手伝って、手持ち1秒でもブレを抑えたシャープでクリアな写真が撮影でき大満足。靴が濡れることも構わず、波の描くパターンの面白さに夢中でシャッターを切っていました。
島根・宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島。夕日スポットとして有名な場所ですが、煙るように降る雨が、背景にある山や街並みを包み隠した湖の光景もまた幻想的。傘を持ちながらの手持ち撮影です。(F16・1/4秒・ISO100)
山間部の渓流に覆いかぶさるモミジの一枝。紅葉には少し早かったものの背景の暗さも手伝って、まるで日本画の屏風に描かれたような景色でした。上流から流れてきた落ち葉を風で舞う葉に見立て撮影しました。(F8・1/320秒・ISO4000)
徐々に光が弱まっていく日の入り前のわずかな時間。残照に浮かび上がるモミジをねらいました(写真上)。シャッタースピードと絞りを固定し、気に入った落ち葉が流れてくるのを待ちます。薄暗い光の下でも驚くほど鮮明でクリアに映し出すモニターを見ながら、ISO設定を割り当てたコントロールリングを回転させて明るさを微調整。ノイズの心配をすることなくISO感度を躊躇なく上げられる気持ちよさに、つい顔がほころびました。
鳥取砂丘の「馬の背」と呼ばれる小高い丘。日の入り後、刻々と夕闇が迫り、周囲は暗くなり始めていました。人のシルエットが目視でぼんやりと確認できるほどの暗さでしたが、この写り。(F4・1/125秒・ISO12800)
自然風景のきれいな一部分だけを切りとる望遠レンズはじつに便利です。そしてEOS R6の電子ビューファインダーは、実際の風景を見ているのとほとんど変わらない、違和感のない見え方。目の前の光景をそのまま写真に閉じ込めたような気がしました。
早朝から夕闇の時間帯まで撮影することもあります。「暗くてもう撮れないかも」という場面で試しにカメラを向けてみると、薄暗い中でもモニターに映し出された画像はとても鮮明で、暗所耐性がどれほどの実力なのか試したくなりました。
ISO感度12800で撮影したのがこちら(写真上)。拡大するとやっとノイズがわかりますが、高ISO感度とは思えない驚きの結果でした。
レ
ビ
ュ
ー
を
終
え
て
自由度を奪われるため、もともと三脚を使うことが好きではない私。今回の撮影で三脚を使ったのは、たった1度だけ。手持ちでここまで撮れるとは、正直思ってもみませんでした。
EOS R6とRFレンズによる強力な手ブレ補正効果や、私の考えを先読みするかのように快適なAF、「さすがにもう厳しいかな?」と心配になるほど高ISO感度で撮影しても「ノイズって何だろう〜?」と口ずさんでしまうほどきれいな仕上がり、実際に見ているような錯覚さえ起こす滑らかで自然な電子ビューファインダー。そして、「撮影ポイントまで徒歩○分」を必ずチェックするほど体力のない私を山にまで登らせてしまうEOS Rシステム、恐るべし。
これからカメラを購入しようという方から、「どんなカメラを使っているの? おすすめのカメラは?」と聞かれることがあります。
「キヤノンのEOS Rシステムを買っておけば間違いなし!」。そう自信をもっておすすめします。
EOS R6×RF70-200mm F4 L IS USM