写真家の中村陽子です。瞳AF、高速連写、ボディー内手ブレ補正機構……夢を現実にしてくれたカメラ、EOS R5。「宙を舞うように走る愛犬の姿をとらえた写真」が、EOS R5なら簡単に! 写真好きな愛犬家たちの願いを叶えてくれるカメラです。
今回は、ペット撮影に実際に使用したEOS R5のレビューとおすすめしたいアクセサリーについて語っていきましょう。
公開日:2020/8/27 / 最終更新日:2022/7/22
写真家の中村陽子です。瞳AF、高速連写、ボディー内手ブレ補正機構……夢を現実にしてくれたカメラ、EOS R5。「宙を舞うように走る愛犬の姿をとらえた写真」が、EOS R5なら簡単に! 写真好きな愛犬家たちの願いを叶えてくれるカメラです。
今回は、ペット撮影に実際に使用したEOS R5のレビューとおすすめしたいアクセサリーについて語っていきましょう。
【写真家紹介】
中村陽子(なかむら・ようこ)
大阪市生まれ。カナダ トロント市在住中に犬の撮影を始める。2015年、(有)ドッグファーストとスタジオD1を設立。ペットや子ども撮影を得意とし、企業広告や雑誌の表紙やグラビア撮影、写真講座講師を務める。プライベートでは「愛犬と描く絵本の1ページ」をテーマとして撮影に取り組んでいる。愛犬はトイプードルのPASTEL、ノーフォークテリアのCOOPY、ジャックラッセルテリアのPOPとCOLOR。
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元気に跳ね回るペットを撮影する私にとって、待望のカメラEOS R5。以前からキヤノンのミラーレスカメラの写りのよさに魅力を感じて作品づくりに生かしていましたが、EOS R5ならイメージしていた動きや表情を逃さず撮影できます。機能的な特長を紹介していきましょう。
◎ピント合わせはカメラにお任せの「瞳AF」。絵作りに集中できる!
EOS R5のオートフォーカスは、犬・猫・鳥などの動物の瞳・顔・全身検出が可能です。これはEOS R、EOS RPを使ってきた私にとって、待ちに待った機能。思うとおりに動いてくれない動物相手の撮影では、ピント合わせは神経を使う作業でした。
以前のカメラでは、走っているシーンのフォーカスモードは〈サーボAF〉、ポートレート撮影は〈ワンショットAF〉に設定していました。難しいのはポートレートの撮影で、犬はじっとしていてくれないので、ピント合わせからシャッターを押すまでのタイムラグがありました。
ところがEOS R5では、常時〈サーボAF〉に設定すればOK。瞳AFが驚くべき精度でピントを合わせ続けてくれます。ピントはカメラに任せ、撮影者はイメージに合った構図作りに専念できる。これで今まで以上にハイレベルなポートレート撮影にチャレンジしやすくなりました。
◎連写性能の進化で、犬の躍動をあますことなく撮影。
EOS RやEOS RPとはクラス違いの連写性能がうれしいEOS R5。電子シャッターで最高約20コマ/秒、メカシャッターで最高約12コマ/秒と超高速です。
この高速連写と瞳AFによるピント合わせにより、カメラに向かって猛ダッシュする犬の姿を連続撮影できるようになりました。しかも、ピント外れは一枚もなし。ピント合わせには技術と経験が必要と思っていましたが、EOS R5なら誰でも手軽に犬の疾走シーンを撮れます。驚くべき進化ですね。
◎「ボディー内手ブレ補正機構」でマジックアワーの撮影も自在に!
日没後の優しい光に包まれたマジックアワーの撮影は魅力的です。でも、相手がじっとしてくれないペットの撮影では難しいシーン。三脚がないと手ブレしてしまうし、内蔵ストロボなどをペットの顔に向かって発光してしまうと目が不自然に光ってしまいます。
でも、ボディー内手ブレ補正機構を搭載したEOS R5なら、薄暗い中でも撮影が楽しめるはず……というわけで、どれくらい手ブレに耐えられるのか試してみました。ISO感度設定を2500に固定して手持ちでの撮影にチャレンジ。
結果としては、シャッタースピード1/13秒でも手ブレしていませんでした。これなら三脚を持っていないときでも気楽に撮影できますね。
EOS R5と相性のいい、おすすめのアクセサリーを紹介しましょう。ペットの撮影では、ミニ三脚とリモコンのセットが非常に便利です。
ローアングルでの撮影に便利なLeofotoのミニ三脚「MT-03+LH-25」は、非常にコンパクト。常にカメラバッグに入れて携帯しています。雲台の止まりもよく、足の開閉角度も3段階に調整可能。折り畳み式の足を出すことで大きく広がり、少し重めの機材でも難なく支えてくれる「MT-03+LH-25」でステキな写真を撮影しましょう。
ワイヤレスリモートコントローラー「BR-E1」の使い方ですが、EOS R5の設定をリモート撮影モードに変更し、ペアリングしたリモコン「BR-E1」を持ち、カメラの背後ではなく犬のそばへ。目線のコントロールをしながらリモートでシャッターを切ります。飼い主が近くにいると犬たちの表情が生き生きとして、作品のレベルが上がります。しっかりと「カメラ目線」ではない、ちょっと視線を外した写真も撮影可能です。
目線の角度や高さなどを調整して、イメージどおりの写真を一人でも撮影できる。ミニ三脚とリモコンは、本当に便利です。
Peak Designの「カメラクリップキャプチャーV3」も最近の愛用品です。キャプチャーはカメラをバッグやリュック、ベルトなどに取り付けるための道具です。リュックで機材を担いで、ペットを連れて移動するときに便利です。
通常のカメラストラップは、肩や首への負担が大きいですよね。カメラをぶらさげていると、犬のリードとカメラが接触してしまうことがあり、取り回しも不便。また、長い距離を移動中にバッグの中にカメラを収納してしまうと、「撮りたいな!」と思う場所を見つけたとき、すぐにカメラを取り出せませんでした。
でも、リュックにカメラクリップキャプチャーを付けることで、カメラをサッと構えたり、手ぶらになったりがスムーズにできるようになりました。首や肩への負担も軽減できますし、リードとの干渉もなくなるので、快適かつ安全にカメラを持ち運ぶことができる「カメラクリップキャプチャーV3」を愛用しています。
ペット撮影ならではの悩みは、ふわふわと舞う抜け毛がレンズに付いてしまったり、レンズをなめられてしまって前玉が汚れてしまうこと。汚れ対策にも効果があるレンズフィルターとして、マルミの「エグザス」を選んでいます。この「エグザス」は、防汚性能や静電気防止機能があるので、汚れや脱け毛をサッと拭き取ることができます。拭き取りには、マイクロファイバータオルを使います。タオル自体の繊維が抜けにくく、超極細繊維なので脂分やホコリ汚れをキャッチして離しません。
今まで高速連写はいわゆるEOS-1D X Mark IIIなど「1DX系」、広告撮影などの高解像度データが必要な場合は、EOS 5D Mark IVなど「5D系」といったように、シーンと目的によってカメラを使い分けてきました。
コンパクトなボディーに高画素で高速連写を詰め込んだEOS R5は、本当にパーフェクトなカメラ。これからはどのようなシーン、目的でも私のメインカメラになると思います。
動物瞳AFなどの高性能をフル活用して、さらなる作品の進化や可能性を求めて、愛すべきペットたちの姿を撮影していきたいですね。
「ペット撮影ではとっさの一瞬も逃せません。急にバリアングルで視点を変えて撮影したいときなど、Peak Designのアンカーリンクスをつけていればストラップから外したいときにすぐに外すことができるので、 リードが絡まることなく邪魔になりません。純正のストラップにも取り付け可能です。」