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自己資金を計算!自分で準備できる個人事業の開業資金を知ろう

個人事業の開業資金 個人事業主として開業する際、開業資金を用意する必要があります。開業資金は全額自己資金でまかなうことが理想ですが、難しい場合は金融機関より融資を受けることになるでしょう。
では、開業資金は自己資金でどのくらい用意できたほうが良いのでしょうか。
今回は、開業における自己資金の概要や目安、自己資金を集めて融資を受ける際の注意点についてご紹介します。

開業における「自己資金」とは?

開業における「自己資金」とは、実際に開業資金に充てられるお金のことです。自己資金には、普通預金や定期預金、貯蓄型保険などの預貯金の他、有価証券(株式・国債)や不動産(土地・建物)、動産(自動車・貴金属)などの売却可能な資産が挙げられます。また、会社を退職して開業する方は、退職金をもらえる場合は退職金を自己資金として見込むこともできるでしょう。これらの自己資金をすべて洗い出し、開業資金としてどのくらい用意できるのか計算します。

なお、有価証券や不動産、動産の資産価値は経済状況により変動します。また、これらの資産は売却したいと思ったタイミングで売却できない場合があります。
有価証券や不動産、動産を自己資金として考えている方は、資産価値の変動や売却できるタイミングについても意識するようにしましょう。

開業資金を自己資金でまかなえない場合

開業資金を自己資金でまかなえない場合、金融機関から借入することを検討します。個人事業主の方が借入しやすい金融機関としては、日本政策金融公庫などの政府系金融機関や、各自治体が行う制度融資などが挙げられます。なお、都市銀行や地方銀行、信用金庫などの民間金融機関も融資を行っていますが、審査に通ることは簡単ではありません。
そのため個人事業主の方は、開業資金の借入先として、民間金融機関よりも融資が受けやすい日本政策金融公庫や各自治体が行う制度融資の利用を検討しましょう。

開業資金の借入について詳しく知りたい方へ

開業資金の借入について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
開業資金の借入はできる?開業資金の融資について

自己資金の目安は?

自己資金の目安は? 開業資金は全額自己資金でまかなうことが理想ですが、開業資金が高額になる場合、すべてを自己資金でまかなうことは難しいでしょう。
日本政策金融公庫が融資先に実施した調査によると、開業資金のうち自己資金が占める割合は平均で30%程度であることが分かりました。
そのため、開業資金の30%程度を自己資金として用意できない場合は、事業計画を練り直したほうが良いのかもしれません。

自分がどのような事業を行う予定で、何が必要なのかをじっくり検討し、手持ちの自己資金に見合った事業計画を立てるようにしましょう。

自己資金の「見せ金」は違法行為のため注意!

自己資金の「見せ金」は違法 金融機関から融資を受ける場合、手持ちの自己資金が多いほうが、より多くの借入をしやすくなります。

そのため融資を申し込む直前に、家族や友人からお金を借りて自己資金を多く見せる「見せ金」を考える方がいますが、見せ金は違法行為で、「公正証書原本不実記載罪」に問われる可能性があることを知っておきましょう。

金融機関は半年から1年前にさかのぼり、預金残高を確認します。融資の申し込み直前に高額な振り込みがあった場合は見せ金とみなされ、審査に通らない可能性があります。また、貯金箱などでためておいた現金を、融資の申し込み直前に口座に入金した場合も、見せ金を疑われることがあるため注意しましょう。

ポイント

  • 開業における「自己資金」とは実際に開業資金に充てられるお金のこと
  • 自己資金には預貯金や売却可能な資産が挙げられる
  • 開業資金を自己資金でまかなえない場合は金融機関より借入を検討する
  • 自己資金の目安は開業資金の30%程度
  • 金融機関に対して自己資金を実際より多く見せて借入する行為は違法
個人事業主として新規開業を目指している方へ

個人事業主として新規開業する際の、開業前準備について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
新規開業の流れは?開業前の資金準備や開業届と法人登記の違い

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